お魚料理のお話

鰤料理:日本料理ゆるり 福岡市西中洲の和食、日本料理

鰤を使ったお料理を。

寒くなって来たら「鰤」が美味しいくなりますね。

最近では小さかろうと養殖だろうと「鰤」を名乗って良い風潮ですが、個人的には

冬の時期に水揚げされる天然、8k以上のものを鰤。

と定義しています。あくまで「個人的」にですが。

養殖に関しては「全部ハマチ」と思っていますし、以前はそうだったはず。

マーケティング的にサイズが何であれ、天然、養殖問わず「鰤、寒ぶり」と名乗った方が売れるからって理由でしょうし、それを完全否定はしません。また、アンチ養殖ではありません。

しかし、何でもかんでも「鰤、寒ぶり」としてしまうとなんだか「消費者を騙してる」感があるので個人的な定義「冬の時期、天然、8キロ以上」を鰤として扱っています。

鰤の料理って言えば・・・

ぶり大根、鰤の照焼、ぶりしゃぶ、勿論刺身も美味しいです。カマの塩焼きとか。

王道は王道で美味しいですが今回は「鰤を干す」と言う料理です。

北の方では「ぶりを丸々干す」らしい。

丸々といってもエラや内臓は取り除きますが、ほぼ丸々干すようです。鮭なども同様に干すそうです。塩漬けにしてそのまま干したり、藁に巻いて干したりと色々方法はあるようです。

しかし、最近福岡も寒くなったとは言え、塩をしたとは言えそのまま干す、干し続けると恐らく不味い事になります。鰤ですからね、小さい魚を「干物」にするのとは訳が違います。

ですのでちょっと干し方を変えます。ポイントは「脱水」と「殺菌」。

簡単に説明すると「唐墨」と同じく、塩漬けして酒などで塩を抜いてから干す。

というやりかたです。干しながら霧吹きで日本酒を吹きかけて殺菌を繰り返します。

上下を変えながら風通しの良いところで干していきます。この状態になるまで5日くらいでしょうか。地味に面倒を見ながら、焦らず干して行きます。

周りは固くなってしまうので食べる時は切り落とします。そのため皮や血合いを付けたまま干しています。皮は兎も角、血合いの部分は少し「クセ」が強くなるのでかなりザックリというかほとんど外してしまいます。身の良いとこだけ食べる感じですね。

端的に言えば「鰤の生ハム」といったところ。

前菜や唐墨などと盛り合わせて珍味として、お寿司にしても美味しいです。あまりしょっぱくならないように塩は抜いているので食べ難い事はありません。上手く熟成させた鰤、と言う感じに仕上げます。塩気(塩味や醤油味)は後でも足す事ができるので「ぶり本来のを引き出す」といった料理です。

あいかわらず「マニアック」ですねぇ

と後輩には言われますが、なぜかみんな楽しみにしているようで、

「唐墨干しました?」同様、「ぶりも干したっすか?」と聞かれます。

まぁ、お店で使って、おせちに入れて余ったら食べても良いよって感じです。キミ達の分までは面倒見きらんよ(笑)。板前なら自分で作りやがれ(笑)。

相変わらずコロナは猛威を振るっている、福岡もそろそろやばそうだ・・・。

などと悪い予感もありますが、年内取り合えず頑張っていきたいと思います。

ご予約はこちら 092-725-6870 ゆるり まで。

追伸:今年は長崎産の鰤が良いですね。水温が低いのかな?それとも餌が良いのかな?理由はわかりませんが最近は長崎産。もっと寒くなったら福井、石川、富山あたりでしょうかね。いや、寒くなっても長崎かも。