「なぜ板前になったのか?|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」


お師匠さんの包丁を預かった。研いどけってことで。
親父、親方ではなく、お師匠さん。

自分が板前になろうと決めるきっかけは、お師匠さんの炊いた「あらかぶの煮付け」を食べて衝撃を受けたから。当時は料理は何となく好きだったが、趣味というか楽しいだけだった。それなりに上手く作れたとか、そんなレベルで。

食べることに困らない時代。
だからその衝撃はすさまじかった。
悪い言い方すれば、「ただの煮付け」だ。
だが、正直思った。「こんなに美味い物があるのか」と。「職人すげー」と。
人生とは何が起こるのかわからないものだ。
煮付け一つとの出会いで自分は「板前」を目指すことになった。だから日本料理しかやってこなかったし、その他の選択肢は自分の中には無かった。

今の自分がお師匠さんより上手く煮付けを炊けるかはわからないし、あまり興味もない。しかし、あの煮付けはいつも自分の目標である。

感動とか言うと胡散臭いが、そんな料理を作りたい。なんかそんな感じ。煮付けに限らず。

最近、お客さんに、
「この鮎、凄く良い香りがする」
「仕事が丁寧ですね。」
と言って頂けた。

少しだけ目標に近づけたような今日この頃である。
おまかせからは話がかなり反れたが自信があるものをお届けしたいので自分の店はやはりおまかせにこだわりたい。

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西中洲の和食「ゆるり」
接待やお祝いのお席に、個室でゆっくりとお食事をお楽しみください。
福岡県福岡市中央区西中洲1-14 プロスペリタ西中洲4F
TEL:092-725-6870(完全予約制)
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