「鰻、食べたかったんですよ!!!!」
良かったです。今日は良いのがおりました。
常連さんのお連れ様の女性の方ですが、いつも美味しそうに召し上がって頂いているのでこちらも楽しいですし、力も入ります。サイズも600g超えのナイス鰻、他の料理もがんばりましたが、今日のMVPはこれで決まりでした。
水無月吉日 お献立
前肴 河海老艶煮 枇杷甲州煮 若鮎南蛮 夏蕨のお稲荷さん 酒煮蓮根
椀 茄子摺り流し 翡翠賀茂茄子 蒸鮑 湯葉 姫おくら 黄韮
造里 北海道せこ蟹 鱧落とし 鱸と縞鯵 あしらえ一式
焼物 鰻蒲焼 丸中蜜煮 千枚生姜
温物 梅小田巻蒸 鱧 生麩 車海老 三つ葉 梅餡
止肴 牛タン炭火焼 たっぷりの打ち野菜とポン酢おろし
食事 蛸飯 平茸赤出汁 白菜梅和え 茄子の塩もみ
水菓子 佐藤錦
前肴は河海老が手に入りだしたので艶煮に。殻まで食べられます。お稲荷さんはシャリに蕨をまぜたもので一口サイズで作ります。全部ちょっとづつです。
椀は摺り流し。今回は三種類の茄子を使います。長茄子は皮を剥き低温で揚げて油抜きをします。千両茄子は焼き茄子にして香りを出します。賀茂茄子は皮を剥いて緑色を残し翡翠煮にします。長茄子と千両茄子はミキサーにかけ裏ごしして一番出汁と鳥出汁でのばし、隠し味に白味噌を少し加えます。焼茄子だけでも良いのですが、少しコクがほしいので揚げた長茄子を少し加えています。
せこ蟹はずわいがにの雌で、この時期は卵を持っています。内子、外子共に美味しいですね。勿論「身」も美味しいです。あしらえは蛇腹胡瓜の酢の物。鱧は黄味雲丹醤油ですすめます。あとで「梅」を使うので梅肉は避けました。夏の代表魚、鱸、縞鯵はシンプルに山葵醤油。あしらえは名残の独活を添えています。
鰻はたれ焼です。普通に。自分も食べたかったです。
小田巻蒸しは正確には「苧環」、機織の糸巻きのことで、お饂飩さんを入れて蒸した茶碗蒸しを「おだまきむし」と言います。お饂飩さんを糸に見立てこの名が付いたようです。半生の「梅うどん」を使い少しさっぱりした味に仕立て、煎酒という酒と梅干を使った調味料であんを作ります。海老、鱧といった梅、茶碗蒸しに相性が良い食材も入れてちょっと具沢山にしています。
最近は少し落ち着きましたが暑苦しいのでさっぱり肉料理を。脂が少なくてモリモリ食べれる、となれば「牛タン」かと。最近出番が多いです、大人気なので。野菜は胡瓜、茗荷、万願寺、生姜を刺身のつまのように切ってたっぷり添えます。ポン酢おろしを調味料にして召し上がっていただきます。
蛸飯は生蛸を薄めに切って炊いてる途中に入れます。それでも味、風味は米に移りますし、色も付きます。炊く出汁に少しほうじ茶を入れると綺麗な色になります。夏の定番の食事ですね。
水菓子はさくらんぼです。手の込んだデザートも良いですが、シンプルな果物もなんだか落ち着きます。
梅雨入りしましたがあまり雨も降りませんね、降水不足で野菜が不作といった問題が起こらなければよいのですが。しかしあまりに雨の日が続くと魚が不漁で物が無い、ってことになるのでどちらが良いのか正直よくわかりません(苦笑)。これも四季の味ということで納得するようにしています。
しかし、やはり「板前泣かせ」の季節ですね・・・。ほどほどに降ってくれればいいなー。