鱧は締めて神経を抜く。「神経抜き」は最近では当り前の技術なのでほとんどの魚屋でやってくれている。
湯を沸かし、70℃程度を保ち鱧を丸ごとつけ、45~50秒霜降りをする。冷水に落とした後、たわしで皮目の滑りを綺麗にとりふきあげる。目打ちでまな板に止め、腹開きにする。中骨は勿論、背びれと繋がっていた骨もとる。骨、頭は素焼きにして焼き出汁をとり半分は冷ましておく。
頭が着いていた方を右に置き、骨切りをする。
今回は5回包丁を入れ切り離す、「五枚落とし」とする。
骨切りは「一寸(3cm)に26切れ」i入れられれば一人前とわれるが、食した時に骨を感じないことが前提ではあるもののあまりにも細かく切りすぎ食感が悪くなるのも考え物なので鱧のサイズ、身質を考慮して切るべきである。
自分は切り離した鱧の身を右に転がし、大きさが整っていることを確認しながら切っていく。切る際は身に対して包丁を直角にあて一気に切っていく。包丁が斜めに入ると火を入れた時に身が捩れ美しくない。また一気に切らないと身を潰してしまい、味がよろしくない。
先にとった鱧出汁をわかし湯引きし、冷ました出汁に落としていく。ザルに丁寧にあげ余分な出汁をきる。よく冷やして完成。
落としのときはこのような工程。落としてすぐ使う場合は特に鱧出汁がよい。お湯の場合、水切れが悪いとどうしても水っぽくなり旨味に欠ける。棒鮨や椀種、しゃぶにする場合は切り方など多少異なるが捌くまでは同じである。
6月に入ればもう少し脂がのってくる。真子や白子も大きくなり違う楽しみ方もお届けできる。
梅雨は好きではないが、鱧はやはり大好きだ。
追伸:もうすぐ器一号ができあがる。少し楽しみだ。
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西中洲の和食「ゆるり」
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