春野菜と食べ応えのある何かを。
春野菜といえば・・・。
一番はやはり「筍」でしょうか。暖冬だったせいかもうすでにかなり大きな筍も出回っています。個人的には好きではないのでちょっとげんなりしてしまいます・・・。安いかもしれませんが固いし、風味もイマイチ。たまに「いや、筍ではな竹でしょっ!」て奴もありますね。
山菜も良いですね、あの苦味が癖になる。
多良の芽やうるい、こごみ、雁足、漉油、蕨などの山菜は春の醍醐味です。天婦羅などによく使われますが新鮮なものはお浸しも美味しいですね。灰汁抜きは丁寧に、味付けはさっぱりと。白和えもおすすめです(白和え嫌いな方も結構いますね)。
今回の主役はアスパラガスとワラビ
アスパラガス、漢字で「龍髭菜」。夏野菜と思われがちですが実は春野菜です。北海道が有名なイメージですが福岡や佐賀でも立派なアスパラが生産されています。今回は「煮物」のメインにアスパラガス。焼いたり、揚げたり、炒めたり・・・だけがアスパラの料理ではありません。コツは要りますが「温かい煮物で」が今回のコンセプトです。
続いてワラビです。漢字で「蕨」。蕨の澱粉でつくるのが本来の「ワラビ餅」です。
このヒト、とても灰汁が強く、灰汁抜きに失敗すると「うわー、苦いー、不味いー」になりがちです。無論鮮度も大切です。切り口が綺麗であまり乾いてないものを選んで速攻で処理します。ゆるりでは灰を使って灰汁抜きしますが重曹でもできなくはありません。
主役にするために。
アスパラガスをただ「炊く、煮る」だけではありません。少し下処理をしておきます。
まず煮物としての条件。味が染みている事。アスパラの条件、色と歯ごたえ。
出汁で炊けばいつか味を含ませる事はできますが、色は確実に悪くなります。ならば「白アスパラ」でやればいいじゃん、とか言い出すヒトもいますが「青い色(緑色)」の方が春らしくありませんか?この料理は青でこその料理です。白でやってもあまり感動はありません。また、ただ単に炊いてしまってアスパラのシャキッっとした食感が無くなっても美味しさは半減です。
そこで味を含ませるために一度お浸しにします。少し固めに茹でてから冷ました出汁に漬け込む、簡単な事ですが味は格段に美味しくなります。茹で時間はかなり短め、ぎりぎり中に火が入っているかいないか程度です。盛り付ける時に再度温めるので最低限の火入れでここはOKです。因みにサイズにもよりますが1分超えるとアウトです。勿論提供する時もタイミングよく調理することが大事です。
ワラビは穂先の「鉤わらび」と言われるところと軸を分けて調理します。穂先は柔らかいので灰汁抜き後はさっと炊く程度。軸は下のほうは固いので適宜切り落とします。食感が残る程度に炊いてから小口に切って今回は餡に混ぜ込んでいます。叩いて「とろろ」にしても善かったのですが少し主張が強すぎるきらいがあるので今回は餡に混ぜ込んでいます。
主役はアスパラとワラビと言いつつも
小さめの筍や他の食材も使っています。
大き目の車海老。アスパラと海鮮が相性が良いのはご存知の通り。アスパラとの色の対比も綺麗です。
穴子と黍の博多も入れています(写真ではわかりませんが・・・)。煮穴子と餅黍を重ねて柔らかな食感に仕上げています。これはアスパラとの食感の対比。歯ごたえのあるアスパラ、柔らかい煮穴子と黍餅。さっぱりした味付けに煮穴子の少し甘く、醤油のきいた味が良いアクセントになります。
やるなら大きなアスパラで!
細いアスパラでやっても主役にはなりませんからね。できるだけ大きなアスパラでやります。わらびはできるだけ新鮮なものを、が一番のコツかもしれません。
さて、長い1週間が始まります。色々気をつけて頑張りましょう。
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