春子鯛(かすごたい)。
「じゃみ鯛」などとも呼ばれる小さな鯛。
真鯛やチダイの幼魚を指し、春に採れることからこの名がついたようだ。お鮨屋さんでは酢〆にしたものを握りで楽しむことが出来る。
今回仕込んだのは「春子南蛮漬」
南蛮漬は「食材を揚げて出汁に漬ける」のが基本であるが、焼いて漬け込む「焼南蛮」もある。春子は焼き南蛮にする場合もあるが今回は「折衷」で作る。
まず春子を冷水につけ、ウロコを立たせる。小さいとはいえ鯛、ウロコはやや硬いので包丁で綺麗にとってしまう。その後、エラ、内臓を抜き取り水洗いし水気を拭き取る。頭と尻尾が上がった状態に金串を打ち、素焼きとし、形うを壊さないように串を抜き一度冷ます。
油を熱しながら南蛮酢をあわせ沸かす。南蛮酢が沸いてから鯛を揚げていく。生から揚げる場合は小麦粉をはたいて揚げるが今回は一度焼いているのでそのまま素揚げとする。泡が細かくなるまで揚げて行き、揚げ立てをそのまま沸かした南蛮酢に入れていく。
お師匠さん曰く、「南蛮漬のコツは酢と砂糖を山ほど入れる事」らしい。確かに。自分のコツと言えば、檸檬を入れる場合は皮をとることくらいか。
一日置いて味が馴染むのを待つのも良いが、漬けたてのカリカリをつまむのも美味しい。玉葱の代わりにラッキョを入れても美味しい。
串を打っても打たなくても味はそんなに変わらないだろう。でも「料理屋」ですからね、「仕事」は綺麗にやらんといかん。技術や知識、経験なんて使わないと意味ないし、形にしないと目に見えない。すべてを見える形に出来る訳ではないが、やれる範疇はすべてやりたい。
さて明日は早いので今日はもう寝る。
追伸:そろそろ青梅の時期だ。色々作らないといかん。
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