冬の白身と言えば「鱈」
白子ばかり注目されますが、
身もふんわりとしてどんな料理にも向いてます。西京焼などの焼き物、ちょっと濃い味の煮付け、そして鍋、お味噌汁など万能と言っても過言ではありません。乾物の「棒鱈」なども里芋の類と一緒に炊くとホッコリとしていいものです。
但し、向かないと思われるものも、
あります。「刺身」です。鱈の身は水分が多くちょっとお刺身には向いていません。そのままお刺身で食べると「うーん・・・」となんとも表現しにくい味です。しかし、鮮度が良い物は独特の旨味もあるので一工夫すれば生でも美味しく食べる事ができます。
水分を抜いて旨味を足す、昆布〆
まずは鱈に軽く塩を振ります。極軽くです。浸透圧で水分と共に「クセ」もとってやります。30分ほどおいて水で塩を洗い流した後、軽く酒で洗います。その後水気を綺麗に拭いてから昆布で挟み、〆ます。切り身なら1時間くらいで程よく水分が抜け、昆布の風味も移ります。山葵醤油、生姜醤油でもいいですが、案外酢味噌なども合います。鱈場蟹と合わせて蟹酢で食べる酢の物も上品ですし、この時期にはぴったりです。
鱈の昆布〆は昔からある「古典料理」。いやはや昔の人の知恵にはいつも驚かせられます。食いしん坊の料理人が多かったのでしょう。
ぼちぼち冬のお料理全開でやっていきますかね、立冬も過ぎましたし。