お造里の中の一品から。
鱧の落としは自家製の柚子胡椒、かますの炙りは奈良漬と振り柚子にて。さっぱりとした味とさっぱりとした盛り付け。
今回は自作の器に盛ってみる。
「美しい」とか「綺麗」には特に個人の趣向が色濃く反映されると思う。自分は「整った美しさ」も好きだが、「古典的な美しさ」「地味な美しさ」にとても惹かれる。奇抜や変化球にはあまり心が動く事はない。
「感性が古い」とか「挑戦が足りない」と言う批判もあるだろうが、作陶の参考にするのも「骨董」であったり、「魯山人」「尾形乾山」だったりする。そんなに詳しいわけではないが、本などで料理を見ていて「良い器」と思うのがその類である。
人は何でも「自分で選ぶ」ことができる。しかし、「料理」は「物を言えない」ので「その料理に似合う器」を選んであげないといけないように感じる。
時に良い料理は器を選ばない、また、良い器は料理を選ばないとも言われることもあるがはたしてどうなのか?真偽は兎も角、自分は「バランス」の問題と考えている。
なので、自分の料理とバランスが取れる器を自分なりに作っている次第で、少しでも美味しく感じてもらえたり、ありきたりだが「感動」をお届けできればと思っている。
良い料理が出来たと思えば、それに似合う良いバランスの器を選び、良い器を見つけたならそれに見合うだけの良い料理を造る。それが板前の仕事かもしれない。
と思いながら、料理も作陶も楽しくやっているのでそれはそれでいいのかとも思う。あんまり考えても自分の頭では大して良いアイデアが生まれるわけでもないし。
「考えるな、感じろ」とブルース・リーも言っていたので感じるままにやっていこう。
追伸:この器を雛形に、新しい短冊皿を
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