月別アーカイブ: 4月 2020

春の焼物:福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり

春の焼物、稚鮎や桜鱒などなど。

最近は「前菜」ではなく「先附」

さて、最近ははっきりした「先附」をお出ししています。

「鰒フォアグラ寄せ」「雲丹豆腐」などかなり主張が強いお料理です。

先月、先々月は小さなお料理を盛り合わせて「前菜」「前肴」といった感じにしていましたが、三月末からは「先附」一品勝負です。

「先附」「前菜」の両方をお出しする店もありますが、ゆるりの場合は、品数を揃えるだけの料理に成りがちなのではっきりと「どちらか」にするか「目的のある小菜」を付ける感じです。

因みに昨日は「先附 海胆豆腐 小菜 鯛白子このわた掛と春子の握り」と言った感じです。小菜は「旬の桜鯛を使った軽い料理」の位置付けですので、海胆豆腐とは合わせず、分けてお出ししました。なんでもかんでもワンプレート的な料理は好きではありません。

しかし「春の美味しさや美しさ」はお届けしたい。

確かに海胆豆腐に使った鹿児島の海胆や桜鯛の白子、春子(鯛の子供)も旬と言えば旬ですが、「春らしい食材」は沢山あります。

そこで焼物に一工夫して「焼物八寸」にしてみます。

焼物八寸?って?

簡単に言えば「焼物を中心に色々な料理を盛り合わせた」感じ、と思ってください。もっと言えば「焼物と酒のアテ」でも良いと思います。正確には「日本料理における造語」ですので正しい解釈はないと思います。

稚鮎、桜鱒を中心にして

今回は「稚鮎の塩焼き」「桜鱒の西京焼」を中心に造り上げていきます。

稚鮎は今時期の美味しい奴です。天婦羅や南蛮漬、甘露煮などにもしますが、メイン、主役にしたかったので稚鮎本来の香りと風味が楽しめる塩焼きに。但し、鮮度が命の調理法なのでその日に使う分だけを魚屋で〆てもらいます。なので予約は必須です。

桜鱒はヤマメの海遊魚。鮭と同じく川を下り海で育ってから川にまた戻ってくる。その時期が桜の季節なので「桜鱒」と言われます。最近では「春に出回る鱒」を桜鱒と証する場合もありますが、本来は天然の物を指します。各地でサーモンの養殖が盛んになってきていますがそれとは一線を隔します。今回は北海道産のものを西京焼にします。

これらを炭で焼きながら、その他のお料理を整えます。

茗荷の甘酢漬・・・ちょっと色味が欲しかったので。さっぱりもします。

白魚吹寄・・・白魚を入れた玉地で吹寄玉子を作ります。白魚も春の旬です。

田芹胡麻和え・・・田芹(天然の芹)を胡麻和えに。少しのクセと風味がたまりません。

蛍烏賊酒盗煮・・・蛍烏賊は軟骨や目玉などをとって酒盗出汁で炊きます。辛子酢味噌などでも良いのでしょうがイマイチパンチが効かないのでちょっと手を加えています。

炙り撥子・・・ばちこ(なまこの内臓を干したもの)を炭火で炙る。

葉っぱは山葵の葉です。これもまた春らしい。やはりここは日本酒です。

3密避けて一日一組貸切営業中。

どうしても、の時はご予約を。 ゆるり 092-725-6870  まで。

追伸:少し暖かくなったので喚起もしやすい。真冬だったらぞっとします。