造里醤油を合わせます。
ゆるりの造里醤油は「甘く」ない。
福岡、九州の醤油は「甘い」なんてよく言われます。食べる前から「すみません、甘い醤油駄目なので普通の濃口にしてもらえます?」なんて言われてた事もあります。実際地元の醤油はやや甘めに感じますが、それがご当地の味だと思いますし、東京から見えられたお客様の中には「九州の甘めの醤油も好き」とおっしゃる方もおられます。
好みの問題と言えばそれまでですが、個人的には醤油に関しては塩味が強い醤油はちょっと苦手(〇ッコーマンの濃口や〇丸の薄口とか)なので煮物などの味付けは使い慣れている福岡の醤油を使っています。
ただし、造里醤油はまったく別ものです。
ちょっと良い醤油を使いたい。
造里醤油は生もの、魚につけて使う事を主に考えて合わせています。あくまでも主役は「魚」ですが、その魚がより美味しくなるような、甘さや旨味を引き出すようなそんな味です。甘すぎず、しょっぱすぎず。なのでまろやかさがある、塩味、風味、甘味のバランスがとれているちょっと良い醤油を使っています。
ゆるりで合わせる造里醤油は
土佐醤油とも言われる、濃口をメインに酒、味醂、溜り醤油を少し入れ、カツオ節を注したものです。酒、味醂は煮切っていますが、醤油にはあまり火を入れないようにしています。風味が悪くなりますし、熱変性で味が変わってしまうのを抑えるためです。軽く火を入れて醤油の角を取る、他の調味料と馴染ませる程度です。カツオ節はちょっと控えめにして、少し旨味を補うくらいが丁度よいと考えています。
しかし、いつもの醤油が入荷していない!
いつもはとある地方の物を「造里醤油用」に買い求めているのですが、どうやら最近の豪雨や台風の影響で入荷が遅れているようです。ここ二週間ほどお目に掛かっていませんし、店員さんにもお尋ねしたのですが入荷は未定との事。
しかし、合わせてから少し時間が欲しいので、今回は和歌山のお醤油を使う事にしました。この醤油も中々のものです。旨味も在りますし、バランスも申し分ない。ですがいつもの味に近づけるために少し割合を変えることに。全く同じとはいきませんが、上手く仕上がってくれると思います。
因みに和歌山の有田郡湯浅が日本の醤油発祥の地と言われています。そんなこともありながら今回は和歌山の醤油を使ってみました。
造里醤油と言いますが・・・
他にも使い勝手がいいものです。ちょっとお浸しに使うとカツオ節の利いた味になりますし、玉子かけご飯、納豆にも相性が良いです。万能の「濃口醤油」かもしれません。
今回のW台風もかなり被害があったようです。魚が獲れなかったり、野菜の値段が高騰したり、このあたりは想像できましたがさすがに「醤油未入荷」は想像も予想もできませんでした。被害にあわれた方、地域の一日も早い復興、復旧をお祈りいたします。