「具沢山」だから美味しい。
具沢山だからこそ美味しい物があります。何とも言えない、科学では説明がつかない(つけようと思えばつきますが、それは正直大事ではない)絶妙な「味」は具沢山だからできるものです。ちょっと例をあげてみると、
筑前煮
色々な根菜、里芋、レンコン、人参、牛蒡、筍とコンニャク、かしわ、干椎茸を一緒に炊くからあの味になります。別々に炊いて一緒に盛り付けてもあの旨味は絶対に出ません。色々な具材が渾然一体になってこその美味しさです。
おでん
食べる時は一品一品食べるのであまり意識される事はないでしょうが、大根や牛筋、色々な練り物、最近では餃子やトマトなどそれぞれ「出汁がでる具材」を一緒に煮込んでいるからあの味が出来上がります。複雑であっさりとしながら濃厚な味。だから淡白な大根や白滝も美味しく仕上がるわけです。
寄せ鍋
言わずもがな、です。野菜は基本火を通してありますが多少出汁はでますし、色々な魚介の旨味を凝縮した出汁だからこそ〆の雑炊やうどんがやたらと美味しくなるのです。これこそ「無茶苦茶具沢山にしてしまいたい」料理の代表と言えます。ラーメンの魚介系スープとかありますが「元祖魚介系スープ」は寄せ鍋です。
逆にシンプルだから美味しい物もあります。風呂吹き大根や湯豆腐、ふぐの鍋などは邪魔になる味を出来る限り排除したりょうりです。
ゆるりはシンプルに仕立てるにしろ、具沢山の料理にしろバランスを大切にします。どちらも「美味しく、楽しく」召し上がっていただきたいものです。