アニサキスって呼ばないで・・・:福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり


とあるスーパーでの出来事。

ちょっと自宅用の洗剤とか買出し中に思わぬ主婦の一言。

「あっ、アニサキス・・・」

いやいや、それ、ただの「鯵」ですから!!

捌いていない状態でアニサキスが見えるなら超能力者ですよ、異能者です。ちょっと驚くとともにクスッと笑ってしまいました。

そもそも「アニサキス」は注意は必要ですが、それほど騒ぐ事でもない、と思います。確かにかなり苦しいらしいですが「細菌」ではなく「寄生虫」ですので目視できますし、予防もそれほど難しくもありません。

ちょっと言わせて貰えば、鯖、鯵、烏賊、には多かれ少なかれ大体います。知り合いの方がスーパーで買った鯖を家で捌いたらアニサキスがいたので返品したとか言ってましたが、言いがかりに近いので止めた方がいいですよ、とアドバイスしました。それ位「いる」ものです。

もう少し言えば、福岡は「鯖」を生で食べる文化があります。しかし、関東や北海道はそういった文化がありません。何故でしょうね?逆に福岡には「なめろう」と言った刺身を細かく叩いて味噌などを混ぜて食べる文化はありません。不思議ですね、どちらも近海で取れる昔ながらの庶民の味のはずですが・・・。

全国の鯵や鯖どれもアニサキスは寄生していますが、重症化するものは太平洋側で水揚げされた物で、日本海側のものはさほど重症化しないといわれています。詳細はさておき、アニサキスの種類が違うそうです。なるほど、食文化の違いはそのあたりの違いによってうまれたようですね。

簡単に言えば

「日本海の鯖はあたらないから刺身で食べる」「細かく切らなくても問題なし」

「太平洋側の鯖は生で食べるとお腹が痛くなる」「細かく叩くと大丈夫」

といった感じです。昔の人は経験上知っていたのでしょう。

予防法と言えば、

鮮度の良い物を選ぶ。

内臓見て「アニサキス」がいるかいないか確認する。

捌いた後も「内臓にいた、いなかった」に関わらず、身に食い込んでないか確認する。

いたら箸や竹串で取り除く。

というシンプルなものです。味にはさほど影響がないので取り除きさえすればOKです。

ニュースでは「鮭、いくら丼」であたったとか言っていました。鮭(おそらくは養殖サーモンと思われる、天然の鮭は昔から完全に生食することは通常ない)に寄生していたのでしょうけど、ちょっと信じ難いですね、プロならわかりそうなものですが・・・。

心配な方は正直「刺身は食べなければ良いのでは?」というだけです。騒ぐことではないような気がします。やっぱり刺身が食べたい方は信頼できる板前さんのところで食べてください。

ま、「刺身のない日本料理もどうなんや」って感じですがね(笑)。

取りあえず、鯵、鯖みたら「アニサキス」って呼ぶのはやめてほしいなぁ・・・、と思った出来事でした。