虎ふぐをお造りで。長崎産の天然物です。
食材は、「天然なら何でも美味い」、とは言いません。
しかし河豚に関してはやはり天然の方が一枚上手のような気もします。
旨味を引き出すために今回は三日寝かせています。
さらしできっちりと締めこんで三日、さらしは毎日取り替えます。
皿の景色が透けるくらいで薄く引いていきます。皮も楽しみですね。
橙、鴨頭葱を添えて後は薬味とポン酢です。
赤おろしは色んな作り方がありますが、ゆるりでは乾燥の鷹の爪を酒で柔らかくしたものを擂鉢で摺って細かくしてから大根おろしを入れて更に摺ってものを使っています。辛いだけではなく少し旨味がある感じです。
ポン酢は自家製のものを少し昆布出汁で伸ばして使っています。あまりポン酢がはっきりしていると河豚の味が消されがちですので河豚とのバランスをみてその都度整えるています。
河豚にこだわる料理人さんは多数います。河豚そのものもそうですし、季節は勿論、ポン酢や薬味、皿、引き方、もう数え切れないくらいです。京都には冬しか営業しない河豚専門店もあるくらいです。
頭や骨は、焼物、唐揚、鍋に。
「脂がのって美味い」とは全く別の「旨味」が河豚のウリです。
かみ締めて美味しい、出汁が美味しい、そう雑炊も忘れてはいかんですね。鍋なんてこれのために食べてるようなものかもしれません。
福岡も下関に負けない河豚どころ。冬のうちに楽しんでいただきたい食材です。