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「栗の化粧剥き|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」

お節やるって決めたから!
栗を剥く、勝負はもう始まっている。

「おいおい、もう仕込むんかい!」とか言う人もいるだろうが、栗は12月にはほとんど売ってないです、あったとしても良品かどうかはわかりません。今しかないんです、今しか。瓶の既製品を使えば簡単に問題は解決するかもしれませんがお節の栗はやはり自分で剥いて炊いてが良いです。風味も食感も一味違います。

ちょっと荒いので少し剝き直しますが、栗を剥くのは結構難しいです。野菜の中では自分的には一番難しい。固いとか、手が掛かるとかではなく、剥いた面が綺麗に仕上がり難いからで、炊いた後に雲泥の差が出ます。結構な気合いと集中力が要ります。栗40個剥くのと、松笠慈姑を100個剥くなら自分は断然後者を選びます。

さて、気は重いですが剥きましょう(笑)。
栗は仕入れをしたら風味が落ちる前になるべく早く調理するようにと昔から言われています。仕入れたらすぐに洗って薄い塩水に漬けておき、虫を追い出します。また傷んでいるものは浮いてくるので触って柔らかいものなどはその時点で省きます。

半日ほど漬けてから剥いていくわけですが、自分は鬼皮ごと剥いていきます。人によっては鬼皮を取ってから剥いていく方もいるようですが、時間がかかる上に自分だけかもしれませんが、その方が綺麗に剥けます。できる限りツルッと剥きたいので。

毎年ならば熊本産を使っていましたが、台風などの影響で不作だったので今年は愛媛産を選びました。糖質が多く剥きにくかったですが、それだけ良質だという証なのでちょっとニヤついてしまいます。

剥いたらクチナシ水で黄色く色を付けていきます。
色がのったら一度流水で晒して、クチナシの匂いと灰汁を取り除きます。そして蜜で炊きます。

まだお節まで二か月ほどありますが、保存には色々な方法があります。冷凍する、砂糖漬けにする、干す、塩漬けにする。今回は濃い目の蜜煮にして、殺菌のためにホワイトリカーを少し足し保存します。
盛り込む時に再度火を入れ、ホワイトリカーのアルコールを飛ばすと同時に、程よい程度の味に仕立て直し、殺菌をします。去年は炊いてから赤ワインと白ワインに漬けましたが、今年は王道の甘露煮で勝負します。ワイン漬けの方が後で手間が掛からない分楽ですが中々の栗だったので風味を活かした王道で行く予定です。

ゆるりのお節はこんな感じで作っていくので「献立は後で」になってしまいます。下手したら細々したところは前日変更も在り得るという感じです。

定番から変化球まで今年もおそらく、45品くらいにはなると思います。やると決めたらとことんやります。で、大晦日は死体みたいになっているというのが毎年恒例の行事です。地獄の日々を想像すると少しだけゾッとしますが、それ以上に楽しみです。

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