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「戻り鰹かくや和え|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」

糠漬と鰹の和え物。

糠漬は米糠を乳酸発酵させて作った糠床に野菜を漬けてつくる日本を代表する漬物。どうやら江戸を中心に発展したらしい。野菜を漬けることが多いが、蒟蒻や肉を漬けたものを焼いても美味しい。因みに干し大根漬けたら「沢庵」。どぼ漬、どぶ漬とも呼ばれることもある。「ご飯、味噌汁、めざし、卵焼き、で、糠漬」なんか日本の朝食のイメージにぴったりだし、酒の肴としても相性がいい。

半日から一日つけて浅漬が主によく食べられるが、漬かりすぎた「古漬」もなかなか乙なものである。

「臭い」「からい」「すっぱい」(笑)。

なにが良いかって、「しなびた感じとひねた味」。
哀愁漂うというか、熟練の味というか・・・。

今回は鰹と古漬で和え物を一品。

鰹はたたきにしておく。古漬(大根、人参、茄子、胡瓜)は小さめの角切にして流水で軽く塩気と酸味、糠臭さを抜いておく。あまり抜きすぎると美味しくないのほどほどに。布巾で包み絞って水気をとる。青紫蘇、茗荷、生姜を千切りにし、水で灰汁抜きをしたものと先の古漬を混ぜておく。
鰹を角切にし古漬と和え、醤油、胡麻、胡麻油少々で味を調え器に盛り付けて完成。

シンプルで美味い。この手の仕事で使う魚はちょっとクセのある魚がいい。今回は生の鰹だったが、鰈の干物(焼いて捌く)、かますの炙り、などが合うと思う。和え物は食材をいかに上手くまとめるかが勝負で「主役」が主張しすぎてもダメだ。正直これの主役は鰹ではなく「古漬」。古漬を美味しく食べるための鰹の立ち位置である。

家庭で糠漬を作っている方は少ないだろう。「臭くて」「面倒」だし、浅漬の糠漬はスーパーでも買える。ただ、「古漬」は売ってない。ちょっと言えば「忘れられた味」になりつつあるような気がして残念だ。

このまま酒のアテにしてもよし、醤油を少し足してご飯にのっけても美味しいし、茶漬けもいい。日本にしかない味だと思う。

最近はジジ臭い料理が身に染みる(笑)。
年とったつーか、なんつーか。
やっぱり日本人なんだろうね。
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