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「炭火と天火 鮎を焼く|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」

七輪をいただきましたので。

4人分くらいで限界のサイズ。
あまり大きくはないのだが、狭い厨房の限られたスペースにしか設置できない(排煙とか)ため、どうにかこうにか強引に厨房に設置する。

ゆるりには店の広さには不釣合いなデカイ上火の焼物台(業界ではサラマンダーと言われるやつ)がある。
すぐ献立に「焼物盛り合わせ」みたいなことをしたがるので、必要である。どの材料も同じ火加減ではないし、焼き始めるタイミングも違うので左右で使い分ける事が出来る方が便利が良い。更に言えば、うちの焼台は右利き。右が火力が強めで、左はやや落ちる。機械的なものでもクセはあるところが面白く感じる。また、たまにご予約をいただく「祝い事」の鯛の姿焼を焼いたりするにはこのサイズが助かる。

以前から「炭焼台」はほしいと思っていた。
炭で焼いたほうが美味しく焼ける食材もあるのでサラマンダーと併用したいと。逆に言えば「サラマンダー」の方が美味しく焼ける物もあるということでもある。

科学的な難しい話(赤外線、熱伝導など)の話はおいておいて、どちらにも長所、短所がある。

例えば、燻煙効果。
サラマンダーは上に火があるので脂が落ちても「煙」はでないので燻されることはない。逆に炭の場合は下に火があるため「煙」が出る事で燻され独特な香りが着く。(焼き方によっては着けずに焼くこともできる)

火力の調整。
サラマンダーは機械的に「火力」「熱源からの距離」を調整することができるので扱いやすい。炭は「火力」「距離」を人為的に調整する必要があり、経験や慣れがかなり必要。BBQなんかで「よく焼けるところ」「あまり焼けないところ」が出てくるのと同じ事が起こると上手く、美味く焼けないのでそれを均等な熱量、もしくは狙って作為的に「強火と弱火」を作り出す必要があるということだ。

今回は「天然鮎塩焼」を炭火で楽しんでいただいた。
サラマンダーでも美味しくは焼けるが、今回は野趣溢れる感じを演出したかったので「軽い燻煙香」がほしかった。また、献立を「白身の魚を中心」で組み立てているのでさっぱりの中にある意味アクセントとしても効果的である。

では献立。

先附:  ダツとせこ蟹酢浸し 青梅酢 針茗荷
椀 :  温麺仕立 きす白板昆布巻き 玉子素麺 絹鞘 七味
造里:  一、虎魚薄造り かぼす醤油
一、鱧落とし 炙りかます奈良漬の博多
焼物:  筑後川天然鮎炭火焼 素揚げ大河海老
小菜:  駄々茶枝豆東煮
暑気払い: 泉州水茄子田舎煮と牛しゃぶ 隠元
温物:  赤羽太と長崎蛤の酒蒸 和風アクアパッツァ
食事:  もろこしと生ベーコンの炊き込み飯
留椀:  赤出汁 ささげと順菜
香物:  赤柴
甘味:  小茄子のコンポート

追伸:天然鮎は美味いね。蓼酢とか柑橘はいらんな。

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