月別アーカイブ: 7月 2015

「天然鯛と養殖鯛|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」

鯛めしのお弁当の予約をいただいたので、鯛を捌く。
身もしっかりしていて美味しそうだ。

ご存知の通り鯛には天然物と養殖物がある。
ここで言うのは「真鯛」のことであるが、日本各地で漁獲される。しかしながら天然物は少なく、市場に流通する8割以上は養殖物である。

自分はこの綺麗な桜色と精悍なビジュアル、美しく整ったヒレの形、そして味も含めて「さすが魚の王様」と言った風情が大好きだ。

近年の養殖鯛は一時期に比べ非常に質が高くなったと言われている。各地の養殖業者が「ブランド」を立ち上げTVCMなんかも目にするようになった。

ゆるりでは養殖鯛を使う事はほぼない(大時化で天然が全くない時にお弁当の予約を貰った場合だけかな)。
個人的に「天然鯛」が好きだという理由だけで「天然」にこだわっているだけである。

養殖のメリットは価格、供給の安定。味は各々の好みとしても、高級魚と言われた鯛を身近な物にした功績は大きいと言える。

天然鯛は養殖に比べ、成長するのに2~3倍の時間が掛かる。また水揚げによっても市場に出回る数が変化する。生産性や供給率の側面から考えると「高価」になるのも仕方無い物でもある。

天然鯛は目利きも難しく、「きっくい」と言われる木屑のようなものが身に入っていたり、「良品」と思って仕入れれも捌いてみると「身がゆるい」「脂が全くのっていない」など失敗することも度々ある。中卸さんや漁師さんでもしくじることがある位だ。また、産地によって味や身質も微妙に違う。全国的に有名な所では「明石の鯛」。福岡近海でも、福岡の「相島」、大分の「姫島」や五島、唐津、平戸など名産地と言われるところが沢山ある。

身の一部は骨とともに米と一緒に炊き込む。自分はあっさり派なのであまり濃い味にせず、鯛の風味が活きるようにする。(弁当なので濃い味の冷めた飯はしんどいと思うところもある)。
今時期は胡瓜の赤柴漬がいいかな。おかずは少なめに焼き魚と煮物を少し。主役はやはり「鯛」である。

鯛は昔から日本人にとって「特別な魚」である。そういった文化も含めて大切に扱って行きたい魚も一つである。

追伸:今日は時化の割には良い物がありました。頭の半分は自分で食べる予定(笑)荒炊きにするか、兜焼にするか・・・、迷うねー

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西中洲の和食「ゆるり」
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