「新蓮根の話|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」


■2015/06/07 新蓮根
新蓮根の季節がやってきました。
小ぶりでしゃっきり、色白で何とも言えない清涼感がたまらないですね。蓮根自体の本格的な旬は冬ですが、この「新蓮根」は5月位から出回る「夏の代名詞」でもあります。

で、なんで真っ白なのか?というと詰め物をしたから。

「蓮根餅」
蓮根餅、餅蓮根とか言われる類の料理です。蓮根を摺り卸して作るものを指す場合が多いのですが、今回は蓮根の穴に道明寺(もち米を蒸してから乾燥させたもの、桜餅のまわりの餅の部分の材料)を詰めて炊いていきます。
道明寺は桜色、緑色も存在するが今回は「法事」でのお弁当に入れるためあえて白を選びました。黒染めにする手もありますが(鉄イオンと反応させて黒くする。黒豆と同じ方法)美味そうに見えないのと、他のものとのバランスを考慮し「白」。

まず蓮根の皮を剥き酢水にて茹でる。立てた状態で陸上げし水気をよく切ります。水気がきれたら穴に道明寺を詰め、さらしで巻き端をタコ糸にて縛ります。薄口水につけ道明寺に水を吸わせて道明寺が十分に膨らんだら、色の着いてない煮汁、白八方地をあわせじっくりと蒸煮込にしていきます。白八方地は基本的には薄口を使わず、塩のみで味を整えるが平坦な味になりがちなので自分は色がつかない程度の薄口を風味付けに入れています。また、三温糖もやや色が着いてしまうのでこの場合は上白糖を使いましょう。

炊き上がったらそのまま冷まし味を馴染ませます。炊きが浅いと道明寺に味がのらないし、炊きすぎると蓮根がくったりしすぎて美味くありません。様子を見ながら仕上がりを見極めていきましょう。

蓮根は煮ても、焼いても、揚げても美味い食材です。肉や海老などとも相性がよくご家庭でも使いやすい食材とも思います。飾り包丁しても綺麗に仕上がるので酢の物などにも持って来いだですし主役にも脇役にもなれる万能選手です。

梅雨入りしてうっとしい日が続きそうだが、明日もぼちぼちやっていこう。

追伸:法事のお弁当はこちら。最近は「精進」とかではなく、こだわらない方が多いようですね。さすがに「鯛」とかは使わないけど。

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