「器のお話|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」


志野焼の中鉢

器とは面白い物で、

それ自体の雰囲気、料理を盛ったときのイメージ手に取ったときの、「感覚」が一致しないとどうにもよくない。

ゆるりの器の多くは骨董に近い。
そんなに価格的、文化的価値のあるものではないが、年月を経て、大切に使われてきたものが多い。

手造りのモノのせいか、フタがカタカタするものや、デザイン的には現在ウケはしないものばかりだが、そのユルさがなんとも言えず、結果、よく使ってしまう器になる。

個人的な好みや趣向で言えばだが、
きっちり作られた「隙のない器」より、
どこか手造り感の残る「隙のある器」に惹かれる。
いびつだったり、野暮ったかったり・・・。

日本料理では「器は料理の着物」と言われる事も多い。選ぶ最後の決め手は料理の作り手の「好み」や「趣向」にはなる、料理屋の器なので、使ってナンボだし、料理を盛ってどうなのかにはなる。美術品ではないからね。特に陶磁器に関しては。

古いとか、新しいとかはさておき、
その器が好きかどうか?が物凄く大切。
「プロならどんな器でも上手く盛れよ」
なんてお叱りの言葉も聞こえてくるが、
やはり「自分の好きな器」に「自分の好きな料理」を盛り付けてお客様にはお届けしたい。
器+料理でやっと納得いくものがが完成する。
日本料理のおもてなしの大切な一部分ではないだろうか?

なんにつけても、好きなモノ、お気に入りのモノは誰しも1つや2つはあると思う。他人から見ればつまらない物でも、自分には凄く大切な物かもしれないけど、できるだけ長く、大切に使っていきたいですね。

追伸:自分は折れた包丁も捨てられない。もう使えないかもしれないが、なんか修行時代の思い出というか、自分の一部というか。ただの道具なんだけどね、冷静に考えれば。でも、捨てられないというか、捨てたくない。

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西中洲の和食「ゆるり」
接待やお祝いのお席に、個室でゆっくりとお食事をお楽しみください。
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